【繰越欠損金】
法人が法人税を計算するときに所得金額がプラスではなくマイナス、赤字となる場合がありますが、このマイナスの部分を欠損金といいます。
通常は、ある事業年度の欠損金を他の事業年度から控除することはできませんが、
青色申告の承認を受けている場合は、この欠損金を一定期間繰り越すことが認められています。
この繰越金額のことを繰越欠損金といいます。
ある事業年度で発生した欠損金を翌事業年度以後の事業年度の所得から控除することができます。
【繰越欠損金を使った場合の法人税額】
令和4年の課税所得が赤字である△200です。令和4年は赤字であるため、法人税は発生しません。
(均等割は考慮しません)
繰越欠損金が200発生します。
令和5年の課税所得が黒字である300です。
法人税の実効税率30%と仮定します。
[繰越欠損金を使わない場合]
令和5年の法人税 課税所得300×税率30%=法人税90
[繰越欠損金を使う場合]
令和5年の法人税 (課税所得300-繰越欠損金200)×税率30%=法人税30
繰越欠損金を使わない法人税90-繰越欠損金を使う法人税30=60
繰越欠損金を利用したほうが法人税が60減額しています。
【欠損金の繰越期間】
平成20年4月1日以降に終了した事業年度で発生した欠損金→9年間
平成30年4月1日以降に開始する事業年度で発生した欠損金→10年間
【適用条件】
・欠損が生じた事業年度に青色申告書である確定申告書を提出している。
・毎年連続して確定申告書を提出している。
・帳簿書類等を保存していること。
【資本金による繰越欠損金の上限金額の違い】
資本金1億円以下の法人の場合は、繰越欠損金の上限金額の利用制限はありませんが、資本金1億円を超えると、繰越欠損金の上限金額の利用制限があります。
(注意)
上記の記載内容は、現在時点の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
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